引っ越し難民の問題は近年の社会的な背景の影響もあり、深刻化しつつあります。
もし自分が引っ越し難民になってしまったら、どのような対応をすれば良いのでしょうか。
今回は、引っ越し難民が生まれる原因やなってしまった場合に解決するためのアイディアなどを解説します。
引っ越し難民とは?
引っ越し難民とは、依頼できる引っ越し業者が見つからず、希望通りの条件での引っ越しが困難な状況に陥っている人を指す言葉。
「〇〇できない人」を表す「〇〇難民」という言葉をもじってつくられたものです。
引っ越しのタイミングや近年の社会の状況などにより、引っ越し難民が発生。
特に2024年は引っ越し業者を支える屋台骨であるトラックドライバーの働き方が大きく変わったこともあり、引っ越し難民問題も今後さらに深刻化すると予想されています。
h2:引っ越し難民になってしまう主な原因
それでは引っ越し難民になってしまう主な原因をみていきましょう。
引っ越し難民が生まれる理由は1つではなく、時期的な問題から社会的な問題まで多岐に渡ります。
原因①引っ越し業者の人手不足で受注件数が減るから
引っ越し難民になってしまう原因の1つに、引っ越し業者が人手不足なことによる受注件数の現象があります。
日本国内は近年さまざまな業界で人手不足が深刻化していて、引っ越し業も例外ではありません。
元々引っ越し業を含む物流業界は慢性的に人手不足の状態が続いています。
高齢化に伴う働き手の減少や給与水準の低さ、業務内容の過酷さなどからなかなか人材が集まらず、苦慮している企業も多数です、
その結果、舞い込む依頼すべてに対応できるだけの人員が確保できず、受注件数が減っている現状があります。
原因②トラックドライバーの長時間労働に制限があるから
トラックドライバーの労働時間に制限がかかった関係でマンパワーが減っていることも引っ越し難民が生まれる要因となっている
2024年4月からトラックドライバーの労働時間の上限が取り決められたいわゆる2024年問題によって、トラックドライバーの労働時間は従来より減少。
そのため、引っ越し業者もこれまでさばけていた件数がさばききれなくなり、依頼を受けてもらえない引っ越し難民が発生しやすいということです。
原因③繁忙期で引っ越し業者の予約が埋まりやすいから
引っ越しの繁忙期である3~4月頃は毎年引っ越し業者の予約が埋まりやすい時期です。
この時期は進学・就職・転勤などで新年度から住まいを移す人が多く、そのため年度末から年度初めにかけて引っ越し業者の利用も集中するのです。
なお物件探しの繁忙期でもあるため、引っ越しだけではなく、希望に合った引っ越し先すらなかなか見つからないと悩む人も少なくありません。
原因④繁忙期で引っ越し料金が高くなるから
引っ越しの繁忙期は引っ越し業者の予約の取り合いが生じるだけではなく、料金も高騰しやすくなります。
そのため、予算を超える料金の引っ越し業者しかいなくて難民化する人もいます。
原因⑤物価高でコストが上がりその分引っ越し料金も高くなるから
近年は物価高であらゆるものの価格が上昇しています。
物価高の影響を受けているのは一般家庭だけではなく、事業者もさまざまな経費のコストが上がり、提供する商品・サービスの値上げを余儀なくされています。
引っ越し業者においても、エネルギー価格や資材の価格の高騰など、コストがかさんだ分引っ越し料金の値上げで対応しているところも多数です。
そして引っ越し料金の高さに依頼ができず、引っ越し難民化する人もいます。
引っ越し難民になってしまったらどうする?解決アイディア10選
引っ越し難民になる前に行動し引っ越し業者を予約できれば良いですが、さまざまな事情でなかなか準備を進められず、難民になってしまうこともあるでしょう。
ここからは、引っ越し難民になってしまったらどうするかについて、解決のためのアイディアを紹介します。
アイディア①一括見積もりサービスで業者をくまなく探してみる
引っ越し難民になってしまったら、まずは「一括見積もりサービス」を利用して、慌てずもう1度業者探しをしてみるのが良いでしょう。
一括見積もりサービスとは、複数の業者から一気に見積もりを集められるサービスのこと。
サービスのサイトで専用フォームに必要事項を入力するだけで、各業者に見積もり希望の連絡が届き、業者から依頼者へ見積もりが提示されます。
どのような業者からどのような見積もりが提示されるか細かく確認しましょう。
もしかしたら見落としている業者があるかもしれません。
あるいは引っ越し予約のキャンセルなどで受注に余裕が生まれ、再度依頼を受け付けている業者がないとも限りません。
1つ1つ業者を探していると時間をロスし、せっかくチャンスがあっても見逃してしまうかもしれないので、一括見積もりサービスで一気にチェックするのがおすすめです。
ちなみに一括見積もりサービスは引越し侍というサイトがオススメです。
【参考】【実体験あり】引越し侍の評判は?電話がしつこくてやばいというのは本当なのか
アイディア②自力で引っ越す
引っ越し業者に依頼できないなら、自力で引っ越しを行う方法もあります。
自家用車がない場合はレンタカーを借りて運搬するのもありです。
家族や親族、友人・知人などでトラックを所有している人がいるなら、車を出して手伝ってもらうのも良いでしょう。
引っ越し業者のように大量の荷物を一度に一気に運ぶのは難しいかもしれませんが、何度かに分けてコツコツ運べば自力での引っ越しは不可能ではありません。
ただし、かなり遠方への引っ越しとなると、何度も往復での移動は難しいため、自力での引っ越しも困難といえます。
アイディア③引っ越し時期をずらす
可能であれば、引っ越し業者を予約しやすい時期まで、引っ越しの時期をずらす方法もあります。
引っ越しの繁忙期は特に引っ越し業者の予約がとりにくいので、その時期より後にずらせば予約がとりやすくなる可能性が高いでしょう。
ただし、現在の住まいから遠く離れた学校へ進学する場合や、遠方に転勤する場合など、住まいを移さなければ通学・通勤が難しいため引っ越し時期をずらせないケースもあり得ます。
アイディア④トランクルームを利用する
引っ越し業者の予約がとれず引っ越し難民になってしまったら、運搬しにくい荷物は取り敢えずトランクルームで保管するのも良いでしょう。
トランクルームとは、荷物保管用のスペースを貸し出すサービスのこと。
収納スペースのレンタルというと大規模な倉庫のようなものを想像するかもしれませんが、トランクルームは小さいものなら1畳未満、大きいものは8畳ほどで、いずれのタイプもカジュアルで個人でも利用しやすいサイズ感です。
トランクルームが敷地内で長屋のように並べられているタイプや、建物の中で賃貸物件のように部屋を区切っているタイプなど、さまざまな形態のトランクルームが存在します。
荷物をすべて運搬するとなると高額な引っ越し料金がかかるため手が出ない、このような場合トランクルームに一部の荷物を保管しておくことで、引っ越し料金をスリム化できます。
またトランクルームの利用によって、引っ越し先の収納スペースが限られている場合でも対応しやすいこともメリットです。
すぐ契約手続きを行い即日で借りられるトランクルームもあるので、時間がなく焦っている時にも役立ちそうですね。

アイディア⑤家具家電を実家に預ける
引っ越しの荷物を減らすため、あまり使わない家具家電などは一時的に実家に預けるのも1つです。
自分の住まいに収納しきれないものを実家で保管している人も多いでしょう。
実家に荷物を置けるだけのスペースがあることが前提ですが、実家を頼れるなら頼る道もありです。
アイディア⑥宅配サービスを利用する
引っ越し業者がつかまらない場合は、宅配サービスで自分の荷物を引っ越し先に送り引っ越しを完了させる方法も考えられます。
宅配サービスは荷物が多過ぎてもう集荷を受け付けられない…ということは起こりにくいので、引っ越しの繁忙期だとしても利用できるでしょう。
引っ越し先の住所を書くだけでよく、かつお届け日の指定もできる、手軽で間違いのないサービスといえます。
ただし、引っ越しで発生する大量の荷物をすべて宅配サービスで送るとなると、費用もかなりかさむと予想されます。
アイディア⑦軽貨物業者を利用する
引っ越し専門の業者ではなく、軽貨物業者を利用する手もあります。
軽貨物業者は顧客の依頼内容に応じて、軽貨物車で荷物の運搬を行います。
そのため、引っ越しの荷物を引っ越し先に運びたいという依頼をすれば、その通りに対応してくれるでしょう。
ただし、引っ越し業者ほど引っ越しのノウハウがあるわけではないので、引っ越し専門業者と同じクオリティのサービスは期待できない可能性があります。
また、軽貨物業者も引っ越し業者と同じく人手不足に悩んでいるケースが多く、依頼を受けてくれるとは限りません。
アイディア⑧家具家電など必要なものを引っ越し先で調達する
引っ越し難民にとってネックとなりやすい大きな家具家電を中心に、引っ越し先で必要なものは引っ越し先で調達するのも1つの方法です。
現地のインテリアショップや家電量販店で家具家電を購入すれば、店舗の配達サービスも利用できるでしょう。
引っ越しで大型の荷物を運搬する必要がなくなるため、引っ越し難民になっても引っ越しを完了させられます。
ただし、家具家電がちょうど買い替え時期である場合は良いですが、そうでなければ新しい家具家電を購入する余計な費用がかかります。
アイディア⑨家具家電レンタルサービスを利用する
家具家電レンタルサービスを利用して、引っ越し先に運搬する荷物を減らして解決する方法もあります。
引っ越し先で家具家電をレンタルすれば、今の住まいから持って行く家具家電はスリム化可能。
荷物を厳選できるため、引っ越し業者に頼まずとも引っ越しを乗り切れるかもしれません。
ただし、現在の住まいで使用している家具家電をどのように取り扱うかという問題は発生します。
古いものであれば不用品として処分すれば良いですが、新しくてまだ使えるものなら処分するのがもったいないと感じるでしょう。
アイディア⑩家具家電付きの物件に引っ越す
家具家電が備え付けられている物件を選んで引っ越せば、引っ越し先に持ち込む家具家電を減らせるので、これも引っ越し難民対策になります。
ただし家具家電付きの物件はそれほど多いわけではないので、物件探しに苦慮する可能性もあります。
また、こちらのアイディアはすでに物件が決まっていて引っ越しが困難な場合には、通用しない方法です。
さらに家具家電レンタルサービスと同じく、現在使用中の家具家電の処分もしくは保管についても考えなければいけません。
引っ越し難民になる原因と解決方法についてまとめ
引っ越し難民は、予約可能な引っ越し業者が見つからない、引っ越し料金が高いなどの原因で生まれますが、そのような状況に至っている原因はさまざまです。
引っ越し難民になってしまったら、今回紹介したような解決のアイディアを1つ1つ検討してみてください。